ワインバーの閉店に思う(ロングバージョン)

ある立ち飲みワインバーが、今月末をもって閉店することを知った。僕はワインにも詳しくないし、せっせと毎週通うような常連ではなく、どちらかといえば忘れた頃にふらっと現れるような客だったんじゃないかと思う。

 

でも振り返ってみると、僕のささやかな人生をたどる上でわりと重要なポイントとして今でも思い出すことができる。そっかー、そういえば僕はその頃こんな事を考えながらここで飲んでいたんだなって。そういうお店ってそんなに多くない。

 

こういう関係というのは飲み屋だけでなく、友達でも同じ事が言えるような気がする。しょっちゅう一緒にいる会社の同僚や研究室の仲間ももちろん一緒にいて影響を受けるし、楽しいし大切なんだけど、でも実家の同級生や遠く離れてしまった友達、OB会の時だけ顔を合わせるサークルの友達なんかもやはり同じくらい大切な存在なんだよね。

 

こういうのって、決して一緒にいる時間の長さや深さと相関がないのが興味深い。一緒にいる時間も濃さも全然少ないのに、それでもある瞬間のセリフやシチュエーションなんかをずっと覚えていることがあるのはなぜなんだろう?

 

おそらく相性というよりは、邂逅の方が近いような気がする。

相性度ってバロメータがあるのなら邂逅度もあってもいいよね。いつかソーシャルグラフで分析できる日が来るのかな。